ラプチャーの歴史
2010.02.05
1946年11月5日、大西洋中ほどの海底にとある都市が建造されました。都市の創設者であるアンドリュー・ライアンはその都市をラプチャーと名づけました。ラプチャーは芸術、産業、科学の発展において政府機関の介入を一切受けない理想郷として設計されました。そして地上から完全な自立を実現するため、すべての電力供給、食料生産、浄水、そして防衛システムには海底火山が動力源として利用されました。ラプチャーの人口はピークであった1950年代初頭には数千人にのぼり、ライアンは彼らこそが人類の鏡であると確信していました。
1949年から1951年あたり、ネプチューン・バウンティのドックへ寄る途中でブリジット・テネンバウム博士は戦争で手を負傷していたはずの男がキャッチボールに興じる姿を目撃します。どのようにして手が蘇ったのか男に尋ねると、男はウミウシに噛まれたと答えました。テネンバウムはこれは世紀の大発見に違いないと、男にウミウシを見せてもらいます。そして研究を援助してくれるスポンサーを求め活動を開始します。
テネンバウムはラプチャー中の科学者に鼻であしらわれますが、ついにフランク・フォンテインと出会います。ネプチューン・バウンティで彼を知らぬ者はいません。彼は研究成果が自らの利益に結びつくならとテネンバウムの研究へ資金援助を行うことに合意します。ラプチャーでは禁止されている地上の商品の売買を行うフォンテインの密輸組織の利益がテネンバウムの研究に充てられ、彼女の研究はスタートしました。すると、彼女はすぐさまウミウシから分泌される物質が根幹細胞のような働きをすることを発見し、広範囲の遺伝子操作に成功します。彼女は遺伝子の"二重螺旋構造を折り曲げ"、病を完治させ、生物に驚くべき力を与えられるようになります。その物質は人類史における"再誕"とも言える大きな発見であったことから"ADAM"と名づけられました。
次の大発見はADAMの発見の直後でした。ウミウシが宿主に移植されると、元の20倍から30倍ものADAMの生成が可能であることがわかったのです。ウミウシをさまざまな被験体の胃に埋め込んでみたものの、どういうわけか移植に成功したのは特定の被験体のみでした。幼い少女です。発見後、少女へのウミウシの移植がどんどん進められていきました。しかし、フォンテインが望む量のADAMを生成するには宿主が足りませんでした。不足分を補うためにフォンテインは経済的に困難な家族の幼い娘たちが養育と学校教育を受けられる施設として"リトルシスター孤児院"を設立します。そして改造を施された少女たちは孤児院から名前を取り、やがてはリトルシスターと呼ばれるようになりました。
フォンテイン未来技術社によるADAMの大量生産が可能になると、イ・スーチョンが開発した遺伝子トニックやプラスミドは主力製品として販売され、金さえあれば誰でも手に入るようになります。これらのトニックやプラスミドは人々に超能力を与え、指先から炎を出現させたり、腕から蜂を大量発生させたり、筋肉を増強しスピードを上げるなどさまざまな超人的なことを可能にしました。最初はアンドリュー・ライアンもフランク・フォンテインの成功を祝福し、彼がラプチャーの住人として最もふさわしい人間であると賞賛しました。
この間、人々の海底での生活をサポートするためにライアンが雇った精神科医、ソフィア・ラムがその集産主義的世界観でラプチャーの住人の間で人気を集め、ライアンの政敵として浮上します。
それから何年か経ち、アンドリュー・ライアンはフォンテインが密輸から殺人まで幅広く犯罪に手を染めているのではないかと疑うようになります。フォンテインによるADAMの独占が現行の社会構造を脅かしていることがわかると、ライアンとフォンテインの間に本格的な遺伝子開発競争が勃発します。アンドリュー・ライアンはフォンテインを逮捕しようと躍起になりました。しかしフォンテインは1958年後半に発生した銃撃戦を利用して自らの死を偽装し難を逃れます。その後、アンドリュー・ライアンはフォンテイン未来技術社を手中に収め、プラスミドやトニックを自社ライアン・インダストリー社で生産するようになります。ライアンは自らの権力をより確かなものにするため、主だった反対者を逮捕していきました。その筆頭にラム医師があげられました。彼女の娘のエレノアも拉致された上、サブジェクト・デルタの対となるリトル・シスターに変えられてしまいます。向こう数ヶ月間市民の不安と混乱は続き、1959年のニュー・イヤーズ・イブ・ライオット事件へと発展します。フォンテインを支持する下層階級の市民や公民権を奪われた人々が上流階級が利用するさまざまな主要地を襲撃し、この事件はラプチャー内戦最初の大規模な戦闘となりました。同じ頃、一般市民の味方として"フォンテインの貧しい人のための家"の住民たちと共に戦うアトラスという指導者が現れます。
1959年を通してアンドリュー・ライアンとアトラス両軍による大規模な戦闘が幾度となく繰り広げられ、ラプチャーは大きく衰退しました。また、1959年初頭にはビッグダディが誕生しました。ビッグダディとは遺伝子改造を受けた人間を鎧のような潜水スーツに接合した巨漢で、主にラプチャーの構造物のメンテナンスとリトルシスターの護衛を課せられています。増加するADAMの需要を満たすためリトルシスターは都市を安全に移動し、内戦で命を落とした者からADAMを抽出してライアン・インダストリー社へ持ち帰る必要がありました。アンドリュー・ライアンがさまざまな法を制定したのも1959年でした。人口の移動を制限し、反体制活動家らをアポロ・スクエアに閉じ込め、潜水球のネットワークを停止しました。これらの法を犯した者は死罪に処されました。そしてADAMの乱用により精神を蝕まれた者たちがラプチャーの正気な住人を殺戮するようになり、ADAMと化学反応を起こすことで住人たちをわずかに精神制御できる一種の“フェロモン”をアンドリュー・ライアンが散布するまで内戦は続きました。ライアンが都市を完全に掌握すると、アトラスは身を隠し、ラプチャーの通りを正気を失ったスプライサーがADAMを求め彷徨うようになりました。そして同じ頃、ラムは脱獄に成功し、マインド・コントロール・プラスミドを使ってデルタを自害させようとしていました。
記事元:Storyline - The BioShock Wiki
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